過熱感のない85円台のドル円為替相場

先週末に発表された米雇用統計は、為替市場に大きな混乱をもたらし、ドル安トレンドを強める結果となった。ただ、今晩は各国当局者の発言だけでなく、米経済指標の発表も予定されていない。また、欧米主要企業の決算発表の予定もなく為替市場の材料は、いつになく少ない。こうした状況では、突発的な報道・イベントでもない限り、為替市場は、これまでのトレンドを踏襲することが多い。つまり、ドル安の流れが続くと考えられる。

過熱感のない85円台のドル円相場

じりじりと進むドル安円高ですが、何故か過熱感が感じられません。85円台というのは本来であれば相当意識されるレベルです。リーマンショック以降に示現した昨年11月の84円82銭を更に下回るのか、それとも85円死守で底を打つのか、重要な分岐点にいます。

 

8月の相場というと経験則から言っても、どうしても円高傾向になりがちです。海外勢は夏休みをとり、本邦勢もお盆休みなどを挟むなど暑い夏には市場参加者が少なくなり、流動性が低下するため、どうしても値動きが荒くなりがちです。輸出企業などはお盆休み中にドルやユーロの売り注文を銀行に出してから休みを取るのが通例になっています。

 

昨今の為替レートは相当円高に振れているので、本邦企業の社内レートも円高水準に切り上げられたようです。多分大手の輸出企業はドル円で85〜87円、ユーロ円で110〜115円のレベルで年度後半の予約を結ぼうとしているので、更なる円高局面に備えているように思います。このところのドル円相場は底値模索の展開のようで、直近の下値を更新すると一旦は利食いの買戻しが出るものの、恐る恐る次の水準を叩きに行くといった感じです。市場のポジションが一気にドルショートに傾き、誰もがドルの売り持ちになり儲かる相場になってこそ反転の兆しが見えてくるのですが、まだそんな雰囲気にはなっていません。

 

そんな反転の兆しが見えないドル円相場ですが、ではどの程度まで円高が進むのでしょうか?米国も欧州も今の為替相場の水準に不満はなさそうです。日本だけが、景気回復がおぼつかない状況での円高に不安と恐怖を感じているのではないでしょうか。個人的には85円台という値位置はそれだけで身震いのする水準です。ここを割り込んでくると、市場は1995年4月につけた79円75銭を意識することになるのは必定でしょう。

 

全体的にはまだまだドルロングポジションが多そうです。少なくとも本邦勢はドルロングですし、下がれば下がるほどロングポジションが増える傾向にあるので、例えドルが反発したとしても今度はドルの頭を押さえる役に回りそうです。

 

又、レバ50倍の規制により、個人の外為証拠金取引にも変化が現れようとしています。新規のポジションを建てる際、そしてそれを維持しようとするには、より多くの資金が必要になりました。同じ資金では取引単位を減らすとか、ポジションの数を減らすとか、をしなければなりません。85円台という水準ではもっと個人投資家の円売りが出ても不思議ではないのですが、87円台あたりの水準と変わらない状況です。個人投資家の円売りが当局の円売り介入の役目を担ってきたと言われていますが、さてどうでしょうか。

 

いよいよ暑い夏に為替相場も正念場を迎えることになりそうです。

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